第473回:『第六期名人位決定戦』トーナメントレポート

 2月22日に東京のスクウェア・エニックス渋谷オフィスにて『第六期名人位決定戦』が開催されました。
 全国10会場で展開されてきた『第六期 名人戦』の決勝大会で、6代目となる"FFTCG名人"の称号を獲得するプレイヤーが決定するトーナメントです。
 権利獲得者50名が全員参加して行われた熱戦のレポートを、トップ8のデッキリストとあわせてお届けします。

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予選ラウンド

 本大会はスタンダードの1デッキ制で、予選ラウンドはスイスドロー6回戦で行われました。

 「秘められた伝説」環境は「光の戦士」「土水カオスアーク」といった前環境からの有力デッキを軸にメタゲームが展開されつつ、「水単」や「水雷」の各種モンスターデッキ、「騎士」「カオスコンボ」などの序盤からゲームを決めにかかるデッキも存在感を放ってきました。環境の総決算となるこのトーナメントでのデッキ分布はこのようになりました。

 トップ8は「水単モンスター」×3、「水雷モンスター」×2、「土水カオスアーク」×2、「カオスコンボ」という構成になり、半数以上をモンスター系のデッキが占めました。すべてのデッキで水属性が使用されており、ここに来て「光の戦士」が決勝トーナメントの席を失う結果となっています。

 プレイヤーとしては『世界選手権 2024』チャンピオンのはらさんを筆頭に、5名しかいない歴代の名人が3名もトップ8に名を連ねるなど、かつてなく"濃い"顔ぶれでの決勝トーナメントとなりました。

準々決勝(結果)


ひれひれ(∵)(カオスコンボ) 2-0 はら(水雷モンスター)
しど(土水カオスアーク) 2-1 松村推し(水単モンスター)
eureka(水雷モンスター) 2-0 ぱっつぁん(水単モンスター)
東雲(土水カオスアーク) 2-1 子分A(水雷モンスター)

準決勝

eureka(水雷モンスター)対 東雲(土水カオスアーク)

[1ゲーム目]
 【4-125C】クリオネを添えて【11-124H】リルムを通したeurekaさんに対し、東雲さんは【19-119L】ウネ【22-098H】セイレーン [V]【18-090R】カルミアと強固な盤面を築きます。しかしeurekaさんは【22-122L】ティーダ【18-090R】カルミアを、【23-104H】湿地の魔女【24-105R】モルボルの合わせ技で【22-098H】セイレーン [V]を退けて速やかに殴り切り勝利。1ゲーム目を先取します。

[2ゲーム目]
 闇属性のカードを多く引き込んでしまい思うように動けない東雲さんは、eurekaさんの攻勢に対し【16-129L】カオス【19-105H】アークのコンボで反撃の隙をうかがいますが、【18-090R】カルミアの不在により【23-104H】湿地の魔女でフィールドが崩壊してしまいます。そのまま【22-122L】ティーダでアドバンテージの差を広げたeurekaさんが詰め切って勝利。決勝に駒を進めました。



しど(土水カオスアーク)対 ひれひれ(∵)(カオスコンボ)

[1ゲーム目]
 ひれひれ(∵)さんの【23-117L】カオスからの【22-084R】風神【22-087R】雷神をしどさんが【16-129L】カオスで返すお馴染みの展開でスタートしますが、ここでひれひれ(∵)さんがキャストしたのは【21-105C】サハギン。通常の「カオスコンボ」には採用されていないカードですが、奪われた【22-084R】風神を自分の手札に戻してリソースを回復し、さらにブロッカーとして出てきた【23-129H】ルナフレーナも除去と器用に立ち回り、これで予選を勝ち上がったとご本人が語るだけのことはある活躍を見せます。そうこうしているうちにしどさんのダメージを残り1点まで詰めると、最後は【22-115R】サージェスでブロッカーをダルにしてアタックを通し、ひれひれ(∵)さんが決勝進出にリーチをかけます。

[2ゲーム目]
 今度は1ターン目に【19-068R】リディア【9-068H】ドラゴンをサーチして牽制の手段を確保したしどさんが終始優位にゲームを進めます。ひれひれ(∵)さんがなんとか並べたフォワードもEXバーストで対処することに成功し、典型的な「土水」の勝ちパターンに持ち込んだしどさんがゲームを取り返しました。

[3ゲーム目]
 ひれひれ(∵)さんは少しでも【9-068H】ドラゴンを引かれる確率を減らすべく、ここで後攻を選択します。マッチアップのやり込みがうかがえる選択でしたが、初手には恵まれず【23-129H】ルナフレーナを経由して【23-117L】カオスをキャストする苦しい立ち上がり。その後も動きは芳しくなく、盤面を支配しきったしどさんが【15-120H】マインドフレアを連打できる体制を作ったところでひれひれ(∵)さんが投了。しどさんが決勝進出を果たしました。  

決勝

eureka(水雷モンスター)対 しど(土水カオスアーク)


 決勝は得意の「土水」で決勝まで勝ち上がった "3代目名人" しどさんと、今年に入ってから存在感を増してきた「水雷モンスター」の "5代目名人" eurekaさんの対戦です。どちらが勝っても史上初、2期目の名人位獲得となります。


[1ゲーム目]
 お互いにバックアップから入りますが、しどさんの初手は【18-090R】カルミアで、eurekaさんの【23-104H】湿地の魔女に対する回答の用意に成功します。攻めるしかなくなったeurekaさんは【23-104H】湿地の魔女をアタッカーとして追加し、【11-124H】リルム【22-120H】クラウドも展開しながらしどさんの【22-098H】セイレーン [V]を除去して攻めます。これによりしどさんのダメージは6点まで積みあがりますが、落ち着いて【16-129L】カオス【19-105H】アークでフィールドを整理すると、eurekaさんの【4-125C】クリオネ【22-098H】セイレーン [V]による押し込みは【18-096C】リヴァイアサンでしのぎます。ここであと1ダメージは入らないと判断したeurekaさんが投了し、デッキの持ち味を活かしたしどさんが1ゲーム目を制しました。

[2ゲーム目]
 またお互いにバックアップを並べる展開から、eurekaさんが先に動いて【11-124H】リルムからの【22-085C】モススラッシャー【23-096C】アプカルルで攻めます。ダメージを抑えたいしどさんは【16-129L】カオス【11-124H】リルムを奪いますが、eurekaさんはまず【4-125C】クリオネを出して【23-104H】湿地の魔女を安全に通してから【16-129L】カオスを除去と、【19-105H】アークを警戒しながらの的確な立ち回りを見せ、【23-129H】ルナフレーナも追加し攻勢を続けます。しどさんも負けじと【9-114C】不浄王キュクレイン【4-125C】クリオネをどけてから【16-129L】カオス【19-105H】アークを狙いますが、eurekaさんは【14-113R】リヴァイアサン【23-104H】湿地の魔女で自分の【11-124H】リルムを戻しクリティカルな損害を避けると、最後は【18-126L】ライトニングがブレイクゾーンから帰ってきて押し切りに成功。仮想敵への対応のやり込みを感じさせる動きでeurekaさんがゲームを取り返し、勝敗は最終ゲームまでもつれ込みます。

[3ゲーム目]
 eurekaさんはバックアップ3体からの【11-124H】リルムで動こうとしますが、しどさんは【8-083C/1-117R】ヘカトンケイルでeurekaさんの【20-105C】リーブをブレイクして妨害を図ります。eurekaさんはやむなくバックアップ2体からの【11-124H】リルム【22-085C】モススラッシャー【23-096C】アプカルルを出しますが、【23-096C】アプカルルの1枚ドローでデッキに残り1枚の【20-105C】リーブが駆けつけ、しどさんの思惑を狂わせます。防戦になると判断したしどさんは【22-118H】シャントットでリセットしますが、eurekaさんはまたしても【11-124H】リルムで再展開。しどさんは【21-109C】占星術師を連打しEXバーストのプレッシャーをかけますが、LBデッキを使い切ってしまったことでじわじわ詰められ、最後は【22-122L】ティーダで返したeurekaさんが勝利。


 eurekaさんが『名人位決定戦』2連覇を果たし、史上初となる2期目の "FFTCG名人" に輝きました。おめでとうございます!  

 これで『第六期 名人戦』のシーズンは終了しましたが、生配信で発表したとおり春からは『MASTERS 2025』がスタートし、『世界選手権 2025』に至る公式トーナメントのロードマップが再び展開されます。詳しい情報は近日中に発表できる見込みですのでもう少しお待ちください。

 来たるシーズン、次なる公式トーナメントでも、皆さまのご参加をお待ちしております!  

▲ベスト4:東雲さん

▲ベスト4:ひれひれ(∵)さん

▲準優勝:しどさん

▲優勝:"第5・6期FFTCG名人" eurekaさん

『第六期名人位決定戦』トップ8デッキリスト

※リスト内のカード名をクリックするとカード画像が表示されます。



■ベスト8:松村推し(予選4位)

デッキ:水単モンスター