第404回:『日本選手権 2023 Autumn 高松予選』『日本選手権 2023 Autumn 京都予選』トーナメントレポート

 公式トーナメント『日本選手権 2023』は『L3 Championship 2023』などを挟んで再開し、ラストスパートに突入しました。今回は連戦となった『日本選手権 2023 Autumn 高松予選』(スタンダード)と『日本選手権 2023 Autumn 京都予選』(スタンダード)のレポートをお届けいたします。

日本選手権 2023 Autumn 高松予選【スタンダード】


 9月17日、香川県高松市の「レクザムホール」にて『日本選手権 2023 Autumn 高松予選』が開催され、参加者15名によるスタンダードでのスイスドロー5回戦+決勝トーナメント2回戦で行なわれました。

 開幕からおおよそ1か月半が経った「英雄の夜明け」環境ですが、序盤は『L3 Championship 2023』を控えていたこともあり、スタンダードはいまだにトップメタが定まっていない印象です。前環境の有力デッキに対し、新カードで強化された単色デッキや「暁の血盟」などの新興デッキがどこまでやれるのか、今後の大型トーナメントに向けて要注目です。この予選でのデッキ分布はいかのようになりました。


3名:「モールズの夜会」 2名:「火雷FFXIII」 1名:「火単」「土単」「風土」「氷雷」「土水」「火氷水FFⅥ」「火風水FFX」「火氷雷FFVIII」「光の戦士」「4属性WoL」

 決勝トーナメントには「火雷FFXIII」「氷雷」「火風水FFX」「4属性WoL」が残りました。「火雷FFXIII」で予選を1位通過したかがみんさんは『FFTCG』を始めてだいたい1年目、【14-108H】ジェクトを最大限に活用した「火風水FFX」デッキで予選を通過し『日本選手権 2023』の参加権利を獲得されたせっちゃんさんは始めて半年未満ということでした。新たなデッキだけでなく、新進気鋭のプレイヤーの方々の活躍にも今後注目したいところです。  

 決勝戦は、先ほども紹介した「火雷FFXIII」のかがみんさんと、「氷雷」のザワワさんの組み合わせになりました。ザワワさんの「氷雷」は【14-122L】アルシド【14-124H】ゼロムスのような攻撃的なフォワードを採用せず、3枚の【17-090R】イクシオンに加えて【4-116C】ラムウまで採用し、かなり「火雷FFXIII」などの速攻デッキを意識したリストとなっています。一方でかがみんさんのデッキも「氷雷」にとって対処しづらいアタッカーである【20-018H】フェネクスを採用しており、流行の【19-108L】ジタンの存在もあり、そう簡単にはコントロールさせないという意思が感じられます。

[1ゲーム目]かがみんさんが1ターン目に【10-004H】カイアスから登場した【19-108L】ジタンで確認したザワワさんの手札は【20-127L】神竜×2枚に【17-090R】イクシオンと強烈なもの。かがみんさんはそこから【20-127L】神竜を追放し、2枚目も追放すべく戦闘に入ろうとしますが、そこには【17-090R】イクシオンが飛んできます。ターンが渡り、先ほどの【17-090R】イクシオンのキャストでバックアップをコストにしてしまったザワワさんは仕方なく手札を3枚切っての【20-127L】神竜【4-120R】レストリクターをサーチします。これはブロッカーとしての活躍も期待してのキャストでしたが、【19-138S】ライトニング【18-013R】ファングでパワーラインを高く保てる「火雷FFXIII」の攻勢を受け止めるにはパワーが足りず、そのまま押し切ったかがみんさんが先取しました。

[2ゲーム目]【18-028C】ネロを含む2枚のバックアップを並べて好スタートを切ったザワワさんに対し、かがみんさんはしばし悩んだ末に、フォワード3体と手札を空にしての【19-138S】ライトニングまで展開し攻撃を仕掛けます。手札を抱えていても【18-019R】ヴァイスで捨てさせられてしまうため、2ターンでダメージ7点を与えきるルートを選択しましたが、ここでザワワさんのフィールドに現れたのはコスト軽減条件を満たした【20-127L】神竜。タイダルウェイブで敵勢を一掃したザワワさんがゲームを取り返しました。

[3ゲーム目]先攻1ターン目に【19-138S】ライトニング【19-136S】ノエルをキャストしたかがみんさんですが、この展開には【17-090R】イクシオンを合わされてしまいます。そのまま2ゲーム目同様にザワワさんがリードを広げるかと思われましたが、そこからの動きが芳しくありません。バックアップこそ順調に伸びていくものの【13-028L】ファイサリス【17-096H】黒衣の男のような相手の展開に蓋をしつつ攻勢に転じられるフォワードを引けず、ようやく引いた【20-040L】ルーファウスを生き残らせるためにブロックせずアタックを通してみれば次のドローが2枚目の【20-040L】ルーファウスと、どうにも噛み合わない様子。そうこうしているうちに気づけばダメージは危険域まで積み重なり、不利な状況からでも粘り強く攻撃を仕掛け続けたかがみんさんが最後の1点を押し込んで勝利しました。優勝おめでとうございます!

『日本選手権 2023 Autumn 高松予選』TOP4デッキリスト【スタンダード】


日本選手権 2023 Autumn 京都予選【スタンダード】


 9月18日、京都府京都市の「ハートピア京都」にて『日本選手権 2023 Autumn 京都予選』がスタンダードによる参加者33名でのスイスドロー6回戦+決勝トーナメント3回戦で行なわれました。


 『L3 Championship 2023』も終了し、これから大型トーナメントを控えているスタンダード環境は本格的に掘り下げが進む時期にさしかかっています。この大会でのデッキ分布は以下のとおりでした。


4名:「水単」「火雷FFXIII」
3名:「水雷暁の血盟」「モールズの夜会WoL」
2名:「氷雷」「土雷カオスアーク」「4属性WoL」「FFX」
1名:「火単」「風単」「土単モンスター」「火氷FFVI」「火風」「火雷暁の血盟」「土水」「火氷雷」「光の戦士」「ヴァーサタイル」「エクスデスベリアウルデ」

 人気は割れましたが、「水単」と「火雷FFXIII」が一番人気となりました。この2つは最近のスタンダードでは有力デッキの一角であり続けており、「英雄の夜明け」でもさらに強化を受けています。
 「水単」に加わった代表的な新戦力は【20-124C】錬金術師です。バックアップをすばやく展開したい「水単」と非常に相性がよく、採用率の高いカードとなっています。
 「火雷FFXIII」を押し上げているのは【20-088L】エスティニアンです。デジョンで出すためには1ターンかかりますが、ブロックしきれないパワーで2回アタックできるフォワードは相手にとって脅威でしかなく、こちらも採用率が高いです。  

 決勝トーナメントには「火雷FFXIII」が2つ残った以外はデッキが分かれ、「エクスデスベリアウルデ」「水単」「モールズの夜会WoL」「火氷FFVI」「4属性WoL」「氷雷」がベスト8に入りました。注目すべきは気鋭のデッキビルダー・ありかさんが携えてきた「エクスデスベリアウルデ」で、【19-115H】ベリアウルデのアクションアビリティを複数回起動することで【17-091L】エクスデスの条件を即座に満たすユニークなデッキです。

 そんな多士済々のトーナメントを決勝まで勝ち抜いたのは、「水単」のヒチウ@あそくま候補生と、前日の高松予選に続いて決勝進出を果たした「氷雷」のザワワさんでした。お2人のデッキにはともに【20-127L】神竜が採用されており、「火雷FFXIII」といった各種アグロデッキへの対策を意識しているのがうかがえました。

 対応力で上回り、2ゲーム目を先に勝ち取ったのはヒチウ@あそくま候補生さんでした。『日本選手権 2023』では早々に権利を獲得し、その後も数回決勝トーナメントへ進出されていましたが、ここでついに悲願の優勝です。おめでとうございます!



 『日本選手権 2023 Autumn』、今週末は9月24日に山口県下関市(L3構築)で開催されます。皆さまのご参加をお待ちしております!

『日本選手権 2023 Autumn 京都予選』TOP8デッキリスト【スタンダード】