第400回:『日本選手権 2023 Autumn さいたま予選』『日本選手権 2023 Autumn 名古屋予選』トーナメントレポート

 公式トーナメント『日本選手権 2023』のレポート。今回は大都市圏での真夏の連戦となった『日本選手権 2023 Autumn さいたま予選』(スタンダード)と『日本選手権 2023 Autumn 名古屋予選』(L3構築)のレポートをお届けいたします。

日本選手権 2023 Autumn さいたま予選【スタンダード】


 8月19日、埼玉県さいたま市の「大宮ソニックシティ」にて『日本選手権 2023 Autumn さいたま予選』が開催され、参加者41名によるスタンダードでのスイスドロー6回戦+決勝トーナメント3回戦で行なわれました。

 「英雄の夜明け」環境では初のスタンダードでの公式トーナメントとなったこの大会。L3構築が注目される時期ですがスタンダードも大型トーナメントが控えており、メタゲームに注目が集まります。デッキ分布は以下のとおりとなりました。


6名:「水単」「氷雷」
2名:「火単」「風単」「土単モンスター」「土水」「光の戦士」「水雷暁の血盟」「火土水FFIV」「火雷FFXIII」
1名:「風土」「風氷」「土雷」「火氷FFVI」「氷水FFVI」「火氷雷夢の三兄弟」「火土アバランチ」「風土水空賊」「火雷水暁の血盟」「雷単王の剣」「モールズの夜会」「4属性WoL」「8属性」

 「水単」と「氷雷」が一番人気でしたが、「英雄の夜明け」のカードを採用した多種多様なデッキが見られるトーナメントとなりました。【20-059C】木工師のような単属性デッキ向けのバックアップが登場したことにより、属性を寄せたデッキが数を増やしているようです。  

 混沌としたトーナメントを決勝まで勝ち残ったのは「8属性」デッキのありかさんと「火雷FFXIII」のしどさんでした。
 『Standard Championship 2023』での「4属性光の戦士」で環境に与えたインパクトも記憶に新しいありかさんの新作「8属性」は【14-023L】ギルガメッシュ [FFBE]を軸にしたデッキで、【11-134S】ドン・コルネオからの爆発力は目を見張るものがあります。
 対するは、2週前の福島予選で3シーズンのトロフィーをコンプリートし、4回目の優勝を狙うしどさんです。「火雷FFXIII」は前環境での活躍が光ったデッキで、新戦力として【20-081H】フェンリルが加わっています。
 お互いにバックアップの展開を前提としないデッキどうしの戦いは、非常にスピーディーな攻防となりました。

 1ゲーム目、後攻のしどさんが1ターン目に【1-007R】ガドーから【18-013R】ファング【10-004H】カイアス【19-129S】ヴァニラと展開し、2ターン目に【19-138S】ライトニングを出して猛攻をしかけます。対するありかさんは【19-103H】ティーダ【18-116L】セフィロスで対抗しますが、しどさんが【19-136S】ノエルと2枚目の【19-138S】ライトニングを追加し、【19-104H】マディーンでブロッカーを排除する狙いどおりの速攻で1ゲームを先取しました。

 2ゲーム目、1ターン目にありかさんはデッキのキーカードである【11-134S】ドン・コルネオをキャストします。一度はブレイクされてしまいますが回収して再度フィールドに送り出し、ついにそのままターンが返ってきます。そのままアクションアビリティでブレイクゾーンを増やし、【14-023L】ギルガメッシュ [FFBE]で攻めに転じます。しどさんも【19-129S】ヴァニラのスペシャルアビリティ「ウィーガ」2回で反撃しますが、ブレイクゾーンから回収した【14-023L】ギルガメッシュ [FFBE]で相手のキャラクターを凍結させ、動きを封じたありかさんがゲームを取り返します。

 3ゲーム目、しどさんは【1-007R】ガドーから【19-108L】ジタンを送り込んで手札を攻めようとしますが、1点目のダメージで【19-103H】ティーダのEXバーストを踏んでしまいます。しどさんの攻めが途切れた隙に、ありかさんは7属性の条件を満たした【14-023L】ギルガメッシュ [FFBE]【13-023R】シャルロットを添える完ぺきな布陣を敷きます。【13-023R】シャルロット【19-104H】マディーンで退けてさらなる除去のドローを祈るしどさんでしたが、先にありかさんが2枚目の【13-023R】シャルロットを追加して万事休す。ありかさんが優勝を飾り、環境初期に鮮烈な衝撃をもたらしました。おめでとうございます!

『日本選手権 2023 Autumn さいたま予選』TOP8デッキリスト【スタンダード】


日本選手権 2023 Autumn 名古屋予選【L3構築】


 8月20日、愛知県名古屋市の「ウインクあいち」にて『日本選手権 2023 Autumn 名古屋予選』がL3構築による参加者44名でのスイスドロー6回戦+決勝トーナメント3回戦で行なわれました。


 『L3 Championship 2023』前に行なわれる最後のL3構築での公式トーナメントとなる今大会。2週前の大津予選と福島予選では「氷雷」と「風土」に人気が集まっていましたが、デッキ分布は以下のようになりました。


7名:「氷雷」
6名:「風土」
4名:「土雷」「水雷FFXIV」
3名:「風雷」「火雷FFXIII」
2名:「水単」「火風」「土水」
1名:「風単」「土単」「雷単」「火雷」「火氷雷FFVI」「水氷FFVI」「土氷」「水雷」「火氷」「火土」「4属性WoL」

 「氷雷」と「風土」が上位2つであることに変化はありませんでした。しかし「土雷」や「水雷FFXIV」など、その2つを倒そうという狙いが見えるデッキも増えてきています。  

 スイスドロー6回戦を終え、「氷雷」が3名、「水単」が2名、「土雷」「火氷雷FFVI」「水氷FFVI」が1名ずつというトップ8となりました。2週前の予選は「風土」の【18-049R】ユーリィによって「氷雷」が苦戦を強いられるという構図でしたが、今大会ではほぼ真逆の結果となり『L3 Championship 2023』に向けてまだまだメタゲームの謎は深まりそうです。また、「水単」と【20-042L】ロックを使用した「FFVI」デッキが使用者数は少ないながらも複数ベスト8に入っており、確かな実績を残しました。

 そして、決勝戦はあやさんの「水単」とたまごまんさんの「氷雷」の組み合わせとなりました。あやさんの「水単」は【20-066R】イグニス【19-110H】皇帝【19-119L】ウネの3枚だけ土属性を取り入れた珍しい形となっています。試合ではこの3枚が非常に活躍しました。

 1ゲーム目、フォワードのやり取りを多少挟みつつ、お互いバックアップを5体並べあうゆっくりした展開となります。十分なバックアップで「氷雷」のハンデスや凍結の威力を吸収し、【19-110H】皇帝【20-066R】イグニスによる回収で【18-086H】アーシェなどのテンポよく出せるフォワードをうまくフォローしたあやさんが勝利しました。

 2ゲーム目、先攻のたまごまんさんが2ターン目から【18-019R】ヴァイス【20-040L】ルーファウスと連続で並べ、一気に相手を縛ります。「水単」にとって虎の子の【19-104H】マディーン【20-038H】フェイズで弾き、「氷雷」にとって理想的な立ち回りでたまごまんさんがイーブンに戻します。

 3ゲーム目、先に攻めたいたまごまんさんは【18-116L】セフィロス【20-040L】ルーファウスを展開しますがどちらもすぐ対処され、ブレイブかつパワー9000という「氷雷」にとって触りづらい【20-127L】神竜にアタックを許し続けてしまいます。あやさんは【20-066R】イグニスからの後続でたまごまんさんの反撃を完封し、そのままきっちり勝利をつかみました。おめでとうございます!



 『日本選手権 2023 Autumn』、今週末は8月27日に福岡県福岡市(スタンダード)で開催されます。皆さまのご参加をお待ちしております!

『日本選手権 2023 Autumn 名古屋予選』TOP8デッキリスト【L3構築】