第330回:『MASTERS 2021 THE AFTER』トーナメントレポート

 6月26日、東京のスクウェア・エニックス本社にて『MASTERS 2021 THE AFTER』が開催されました。

 『THE AFTER』は『FINAL』に続けて開催される、シーズンの締めくくりとなるトーナメントです。全国での大会で上位に入賞したプレイヤーから、このイベントのために遠征してくださった方の姿も見られ、権利者の7割近くにのぼる55名のプレイヤーにご参加いただきました。ここではシーズンの最後を飾ったトーナメントのもようを、トップ8のデッキリストとあわせてお届けいたします。


『MASTERS 2021 THE AFTER』生放送のアーカイブはこちら
(準々決勝 9:40~、準決勝 47:15~、決勝・インタビュー 1:30:00~、情報パート 3:11:50~) 

予選ラウンド

 予選ラウンドはスイスドロー6回戦で争われました。

 今回『THE AFTER』のフォーマットはL6構築。公式トーナメントでは『光の使者』発売から間もなくの『MASTERS 2021 京都』以来ということで、かなり未知数な環境でした。

 いざふたを開けてみると、55個のデッキ分布は以下のとおりとなりました。

28:「モールズの夜会」
7:「火水」
5:「火土アバランチ」
4:「火氷」
2:「風氷」「王の剣」「黒のワルツ」
1:「風水FFX」「風水踊り子」「火風水」「火風」「火単」

 なんと、実に会場の半分強が「モールズの夜会」となりました。このジョブ自体が『光の使者』で登場しているのでメンバーが全員そろっているのはもちろんですが、やはりデッキの自由枠が大きくとれるのが事前情報の少ない環境では魅力的だったようで、もはや1つの名前ではくくれないほどに、多様なデッキのバリエーションが見られました。

 それに続くのが「火水」「火土アバランチ」に「火氷」といったスタンダードでも有力なデッキで、中でも「火水」は使用者の半分近くがトップ8に入りました。また、「モールズの夜会」を意識してきたデッキにも追い風の吹いた状況で、予選をみごと全勝で1位通過した「風氷」のはーらーさんは、5試合を「モールズの夜会」と戦ってのトップ8入りとなりました。 



準々決勝


 準々決勝からは生放送もスタートし、前日の『FINAL』の大熱戦の空気も冷めやらぬなか、この日も昨日に劣らぬトッププレイヤーたちによる好勝負が繰り広げられました。


準々決勝(結果)

はーらー ○-× らいとにぃ
riru ○-× ちょーぎょーじ
ひれひれ(∵) ○-× ガブリアス
eureka ○-× Kurosawa
 

ベスト8 デッキリスト

※リスト内のカード名は、クリックするとカード画像が表示されます。



準決勝


riru(火水) 対 はーらー(風氷)

 ともに「モールズの夜会」を意識し、これまで実際に倒してきたデッキどうしの対決となりました。
 お互い2ターン目には2属性のバックアップを出し合い、「風氷」がさっそく【12-116L】ロックを出していきますが、「火水」も【15-119L】ポロムと【15-011L】パロムをそろえ、デッキを象徴するフォワードが双方のフィールドに並び立ちます。フォワードが除去され続ける状況を避けるため、はーらーさんは【14-042L】雲神ビスマルクや【14-049H】テュポーンで対処しながら少しずつアタックしていきますが、そのたびにEXバーストを受けてしまい、フォワードがいなくなってしまいます。最終的には30分の制限時間が切れるまでもつれる展開となりましたが、最後は攻める手段も守る手勢も尽きてしまったはーらーさんが投了し、riruさんが『FINAL』に続いて2日連続での決勝進出を果たしました。


ひれひれ(∵)(モールズの夜会) 対 eureka(火水)

 「火水」対「モールズの夜会」という、このトーナメントを象徴する組み合わせとなりました。
 ひれひれ(∵)さんは【16-065C】アンバー、eurekaさんは【13-093H】サラと、お互い好スタートを切ります。その後【16-080H】マダム・エーデルから【16-022R】アウィン [FFBE]で順調にプレッシャーをかけていくひれひれ(∵)さんに対し、eurekaさんも【16-116L】ティーダで応戦しますが、「モールズの夜会」はそこからさらに【16-121R】べスビアや【14-116H】マシュリーなどを繰り出していきます。その好機を活かして押し切ったひれひれ(∵)さんが7点のダメージをもぎ取り、28人いた「モールズの夜会」勢の代表として決勝に乗り込むことになりました。  

ベスト4 デッキリスト


決勝


ひれひれ(∵)(モールズの夜会) 対 riru(火水)

 前日の『FINAL』でトップ8に入ったプレイヤーのうち2名が『THE AFTER』でも決勝トーナメントを戦っていましたが、まさにそのお2人がそれぞれ『FINAL』と同じ「モールズの夜会」と「火水」を携えて決勝のテーブルに着くことになりました。riruさんは『FINAL』で80分+延長3ターンの末にあと一歩のところで優勝を逃しており、この2日間での通算18回目のマッチに『THE AFTER』の一番大きなトロフィーが懸かっています。

[1ゲーム目]お互いにバックアップを並べるスタートから、riruさんが【16-116L】ティーダでいきなりプレッシャーをかけます。最初のアタックで【15-075R/6-075R】タイタンをEXバーストされてしまい劣勢となりますが、きっちり【16-124H】ライトニングで押し返して盤面を五分の状態に戻します。その後、逆に【14-113R】リヴァイアサンと【15-014H】ブリュンヒルデのEXバーストで「モールズの夜会」のフォワードを除去できたriruさんが優勢を維持したまま押し切り、riruさんが雪辱への王手をかけました。

[2ゲーム目]ひれひれ(∵)さんは1ターン目にディスカードという悪い立ち上がり。しかしながら次のターンに【16-065C】アンバーと【16-075R】シンジュを並べることに成功し持ち直します。ここから長くカードの応酬を繰り返し、お互いのダメージは6点。ここでひれひれ(∵)さんが【16-133S】ブラスカのスペシャルアビリティ「マスター召喚」! 7点目が入って決着は3本目に……と思われましたが、riruさんは【15-014H】ブリュンヒルデで【16-133S】ブラスカを除去し、ドローしたカードで【13-100R】リヴァイアサンをキャスト。「マスター召喚」を対象不適正で打ち消す可能性を丁寧に探ります。しかしひれひれ(∵)さんも落ち着いて【13-100R】リヴァイアサンの対象を自ら除去して「マスター召喚」を成立させ、スコアはイーブンとなりました。

[3ゲーム目]riruさんは後攻を選択。相手の初手を絞ることで2ゲーム目のような鈍い展開を期待しますが、ひれひれ(∵)さんは【16-080H】マダム・エーデルから【16-065C】アンバーを出し、その後【16-075R】シンジュというロケットスタートを切ります。riruさんも順当に【13-093H】サラでスタートし、【16-121R】べスビアと【16-099C】メラルドを【13-012R】バハムートのEXバーストで除去するのに成功しますが、フォワードをあまり引くことができず、どうしても攻め手が続きません。
 「モールズの夜会」というデッキを象徴する、太く強靭な展開力を維持し続けたひれひれ(∵)さんが最後のダメージを与え、『MASTERS 2021 THE AFTER』のチャンピオンとなりました。おめでとうございます!!!  



ファイナリスト デッキリスト


 『MASTERS 2021 THE AFTER』のレポートをお届けしました。コロナ禍以前とはまったく異なるスケジュールとなりましたが、やはり『THE AFTER』が終わるとシーズンも締めくくりという実感が湧きます。『第四期 名人戦』を挟み、9月からは『MASTERS 22-23』がスタートする予定です。来シーズンも全国各地の会場で皆さまとお会いできるのを楽しみにしております。

 『MASTERS 2022』、皆さまお疲れさまでした。ありがとうございました!  

▲ベスト4:eurekaさん

▲ベスト4:はーらーさん

▲準優勝:riruさん

▲優勝:ひれひれ(∵)さん