第237回:Card of the Week 今週の一枚(2020/06/04) 

 皆さんこんにちは! 『FF-TCG』プロデューサーの景山です。『Opus XII ~クリスタルの目覚め~』のプレビューも早くも3回めを迎えることとなりました。前回、前々回と単属性のカードを紹介してもらったので、このへんで『Opus XII』のサブタイトル『クリスタルの目覚め』の発想にもつながっている「多属性カード」について紹介していきたいと思います。しかも今回のカード、レアリティはレジェンドでイラストは描き下ろしという超注目のカードですのでぜひご覧ください!

描き下ろしカード

 今回のカードは『FINAL FANTASY XI』の拡張セット『プロマシアの呪縛』に登場する重要なキャラクターで、プレイヤーの前に何度も登場し物語に大きく関わってきます。少年のような外見からは計り知れない謎と深い思念を感じさせるキャラクター性はプレイヤーに強烈な存在感と印象を与えます。
 『FF-TCG』では伊藤龍馬さんの描き下ろしイラストによってカード化されており、そのキャラクター性に負けないだけの素晴らしいデザインとなっています。描き下ろしということで当然ながらフルアートのカードも存在していますので、コレクションという意味でも注目の1枚となるのではないでしょうか。

多属性

 さて、『FF-TCG』のカードとしてもこの1枚には興味深いところがたくさんあります。おそらく皆さんが一番知りたいのは「多属性」の扱い方でしょう。これを軽く説明しておかないと【12-112L】セルテウスがどのくらい強いカードなのかが伝わりにくいと思いますので簡単に紹介します。
 まず、多属性カードはすべての領域、手札、フィールド、デッキなどどこにいても複数の属性を持ちます。そしてその属性は、テキストボックスの属性マークと左上のクリスタルの部分の光る点によってあらわされます。クリスタルが虹色なのはそのカードが多属性ということを表しています(今回は2属性のみですが将来的には3属性以上のものも出るかもしれませんので、このようなデザインとなりました)。

 次に、多属性カードを使用するときは最低でも2つの属性のCPを1個ずつ払う必要があります。セルテウスの場合なら火と氷を1属性ずつ含む4コストを支払うことになります。同じコストでも単属性のカードより支払いにくいので、必然的に多属性カードは能力が高めに設定されています。

 なお、このカードを手札から捨ててコストにするときは、火か氷のどちらかのCPを2つ生み出します。両方1CPずつというのはできないので気をつけてください。さあ、それを踏まえたうえでセルテウスのアビリティを見ていくとことにしましょう。

【12-112L】セルテウスの能力

 セルテウスは4コストでパワーは7000となっています。印象としては、先ほどの説明からするとパワーがやや低い感じでしょうか。しかし、ということは逆説的になりますがカードの能力はパワー不足を補って余りあることが期待されます。

 セルテウスは1つの、しかしながら強力なオートアビリティを持ちます。フィールドに出たときに自分のブレイクゾーンから火属性か氷属性のカードを合わせて5枚までゲームから除外します。そしてその後にデッキのカードを上から5枚公開し、除外した枚数以下のコスト――5枚除外したなら5コスト以下――のフォワードを、なんと、フィールドに出すことができるのです! 4コストのフォワードをプレイすると、このカードよりコストの重い5コストのフォワードを追加でフィールドに出すことができるという、対戦相手からしてみれば「コストの計算が間違っているのでは?」と言いたくなるほどのお得ぶりはさすがに多属性カードというべきでしょうか。しかもこの効果で出るフォワードは特にダル状態などの制限はありませんので、ヘイストを持っているならそのままアタックすることができますし、対戦相手の次のターンにはブロックすることもできます。セルテウスがどれほど強力なのかがわかっていただけたかと思います。

 ただ、カードを除外するのは効果の解決時というところには注意したいです。対応して【9-068H】ドラゴンなどを使用された場合は最悪の場合0枚で解決しなければならないかもしれません。この部分は気をつけたほうがいいでしょう。【9-068H】ドラゴンの解決後、セルテウスのオートアビリティを解決する前に手札をコストにして召喚獣やアビリティなどが使えれば、多少リカバリーはできそうです。

相性のいいカード

 それでは最後に相性のいいカードをいくつか見ていきましょう。セルテウスは火氷のフォワードなのですが、火属性も氷属性もフィールドに出たときに発動するオートアビリティを持つフォワードが多く、むしろどのカードと組ませるのが一番強いのか迷ってしまうほどです。

 火属性なら【8-006L】クラウド、【11-009L】シャドウ、【3-017L】ビビ、氷属性なら【3-033L】ジェネシス、【6-040H】ラグナ、【6-041L】リノア、【11-027R】カダージュなどがすぐ出てきます。

 また、光属性や闇属性まで目を向けると、【11-140S】カダージュや【5-148H】カムラナート、デッキによっては【11-130L】セフィロスも選択肢に入るかもしれません。デッキ制作者の方向性によってたくさんのカードが候補に挙がってきそうです。

 ちなみに僕は【4-004H】エドガーや【4-048L】ロック、前述の【11-009L】シャドウなど、『FFVI』のキャラクターと一緒に使用するとおもしろそうかな、と考えています。

 というわけで【12-112L】セルテウス、いかがだったでしょうか。多属性のカードはこのキャラクター以外にも多数登場しますので、そちらもお楽しみにしていただければ幸いです。

 次回はRBの番になりますが、RBも描き下ろしのカードを紹介してくれるそうです。ではまた次回!