第232回:プロデューサーからスペシャル Vol.5 カードから原作を語る

 皆さんこんにちは。『FF-TCG』プロデューサーの景山です。Stay home中に少しでも暇つぶしになればと始めたこの企画ですが5回目を迎えました。それだけこの厳しい現実が長引いているということにもなるのですが、出口を信じて自分のやれることをやっていきたいと思います。それではさっそく進めていきましょう。

原作のキャラクターをカードで再現する

 『FF-TCG』は改めて書くまでもなく、コンシューマーゲーム(もしくはアーケードゲーム)の『ファイナルファンタジー』シリーズに登場するキャラクターをカード化したカードゲームです。つまりほぼすべてのカードには元となるものが存在します。そのため『FF-TCG』に登場するキャラクターの中には、カードのアビリティを考える際に彼らの原作での能力やキャラクターの持つアビリティを強く参考にし、再現しようとしているものが数多くあります。

 今回はそれらのカードの中でも特に原作再現に関して僕が気に入っているカードを何枚か、原作の内容と合わせて紹介していきたいと思います。もしこれで『FF-TCG』だけでなく、そのカードのもととなった作品にも興味を持たれたらぜひ遊んでみてください。

その1:【1-185H】皇帝

 「FF-TCGのカードのなかで一番好きなものはなんですか?」 これはユーザーから聞かれる質問のなかでおそらくもっとも多いものです。僕の答えは【1-185H】皇帝です。5コストでパワー9000。「皇帝がフィールドからブレイクゾーンに置かれたとき、【カード名(皇帝)】1枚をサーチし、ダル状態でフィールドに出してもよい。」というアビリティを持つカードです。

 このアビリティですが、原作で一度は倒された皇帝が再び地獄からよみがえりフリオニールたちの前に立ちはだかるシーンをモチーフにしています。TCGでは【2-147L】皇帝などにつなげると大きな効果を発揮してくれます。

 【1-176H】ユウナなど弱点も多いカードですが、【9-113H】ファムフリートや【10-135S】ケフカなどとの相性もよい、おもしろいカードです。複数回よみがえるパワー9000のフォワード。ひょっとしたら思っているよりはるかに強いかもしれませんよ?


その2:【7-130L】シン

 続いても闇のキャラクターですが、今度は『FFX』の宿敵であるシンを紹介したいと思います。『FFX』の世界「スピラ」に周期的に破滅をもたらすシン。それを打ち倒すのが召喚士ユウナとそのガードたちの目的となります。何度かシンと邂逅することになりますが、そのなかで直接対決するイベントがあります。その際にシンが使ってくるのが、【7-130L】シンの持つスペシャルアビリティ『ギガグラビトン』です。この技はゲージがマックスになるとシンからプレイヤーキャラクターに対し強烈な閃光が放たれ必ずゲームオーバーになるという究極のアビリティです。プレイヤーはこれが放たれる前にシンを倒さなければなりません。

 『FF-TCG』のギガグラビトンもまるでゲージを貯めるかのように相手のターンと自分のターンが経過すると、それまでにシンがフィールドから離れていなければ対戦相手を敗北に導くという、本家と同じ効果を持つのです。ダメージやカードが引けなくなるという一般的なゲームの決着とは違う特殊勝利のカードは非常にレアなものです。決まれば問答無用の確定勝利のため条件は厳しめですが、決めることができたらその日のトーナメントの主役はあなたで間違いないでしょう。

その3:【6-084L】レオ

 次に紹介する【6-084L】レオはこれまでの2枚とはやや違う形で原作再現を狙っているカードです。原作『クリスタルクロニクル 小さな王様と約束の国』ではレオは基本的に戦いません。このゲームを未プレイの人はこの説明と【6-084L】レオの能力がかけ離れていることが気になるかもしれません。『FF-TCG』でのレオはほかのキャラクターがいればその分だけパワーが上がる、低コストながら高パワーを実現できる戦闘向けのキャラクターだからです。

 確かにこれだけ見ると原作再現どころかまるで逆のように感じられるでしょう。しかし原作でレオは国民を増やしどんどん自分の国を発展させ国民の力をもとにしてダークロードを打倒します。つまり、自分を助けてくれる国民であるキャラクターを増やし国力である自分のパワーを増強していく、というのがこのカードのデザインの趣旨なのです。ぜひあなたの力で【6-084L】レオを強くしてあげてください。

 ちなみに原作の『クリスタルクロニクル 小さな王様と約束の国』は自分で街並を考えたり好きなところを発展させたりできる本当におもしいゲームなのですが、プラットフォームがWiiウェアだったため、新規でプレイしてみるのは少し難しいかもしれません。しかしながらもし今後プレイできる機会があったら一番のオススメ作品です。

その4:【3-098R】アンジール 【3-012L】ザックス

 『FINAL FANTASY VII』での象徴的な武器であるバスターソード。『CRISIS CORE FINAL FANTASY VII』ではこの大剣は、アンジール、ザックス、そしてクラウドへと渡っていきました。また、バスターソードはただの武器ではなく彼らの心とともに引き継がれてきたものでもあります。これを踏まえたうえで【3-098R】アンジールと【3-012L】ザックスのアビリティを確認してみてください。アンジールから始まり、最後はクラウドへとつながっていくのがわかると思います。

 今年は『FINAL FANTASY VII REMAKE』が発売され、まさに『FFVII』イヤーとなっています。この『CIRSIS CORE FINAL FANTASY VII』をはじめとするスピンオフ作品もあわせて楽しむとより一層『FFVII』の世界に浸れるかもしれません。

 さて、今回は以上の4つのパターンを紹介してみました。もちろん『FF-TCG』にはこれ以外にも多数の原作再現があります。わかりやすいものからちょっとひねったもの、あえて隠してあるものなどいろいろなものがありますので探してみてください。それでは今回はこのへんで。