第226回:プロデューサー・インタビュー Vol.1
※この記事は北米ファンフェアで行われる予定だった『FF-TCG』プロデューサー景山太郎へのインタビューを文章にしたものを翻訳した記事になります。
北米で3月に開催される予定だった『FAN FAIR 2020』では、昨年同様、『FF-TCG』プロデューサー景山太郎さんを招いたQ&Aパネルセッションを計画しておりました。それに向けて『FINAL FANTASY TCG North AmericaのFacebook』ページでコミュニティからの質問を募集し、幾つか厳選してパネルのトピックとして取り上げる予定でした。
それらの質問を未回答のままにしておくのではなく、本サイトのブログで何回かに分けて掲載させていただくことにしました!そこで毎週、同類のトピックに沿った質問を何点か選定し、景山さんの回答を皆さんに共有したいと思います。
今週のトピックは 「L3 フォーマット」です。是非、楽しんでください!
L3フォーマット
RB: プレイヤーの間でも「L3フォーマット」は広く周知されるようになりましたが、このフォーマットについて簡単にご説明いただけますか?
景山: L3フォーマットは最新の3つのセットを使用した構築戦になります。デッキは50枚、1種類3枚までといった基本のルールは変わりません。4か月に一回環境が変わる、エキサイティングなフォーマットです。
RB: 4か月に1回ということはかなりの頻度で環境が変わりますね!『FF-TCG』では 「L3フォーマット」と「スタンダードフォーマット」のバランスをどの様に取っているのでしょうか?
景山: 少なくともしばらくの間はスタンダードがトーナメントの中心になることは間違いありません。しかしながら、L3はスタンダードに比べて始めやすいこと、環境が早く変わるので飽きにくいことなどの利点があります。もしL3が予想以上に人気になったらいろいろなバランスを考える必要があります。
RB: 新しいセットを設計する上で「L3フォーマット」を意識したアプローチなど、取り組み方への変化はありましたか?
景山: もちろんL3も意識して作っています。デバッグチームは仕事が2倍になったので大変そうですが(笑)。まじめな話、L3の回転は非常に早いので最低でもゲームが壊れないように、ということを前提に、なるべく新しいセットが入ったら環境もちゃんとかわるように意識しています。
とはいえすべてのカードが使えるスタンダードに対しての影響力がどうしても強くなってしまいますので一部のカードはL3ではあまり強くない、使いにくいカードも存在しています。
RB: 「L3フォーマット」は年に1~2回ではなく、新しいセット毎に環境を変える意図は何でしたか?他のゲームで確立されている年に1回の入れ替え、一般的な過去1~2年は遡れるフォーマットを踏襲しなかった理由をお聞かせください。
景山: どちらが優れているかという話ではないのですがいくつか理由を述べたいと思います。
まとめて何セットか落ちるというのは最後のセットが使える時間は最初のセットが使える時間より短くなります。例えば、Opus5,6,7,8,9,10が使えるフォーマットがあったとしてOpus11が出たら5,6,7が使えなくなるとします。その場合、Opus5は2年使えますがOpus7はたった1年4か月しか使えません。8か月も短いのです。しかしL3のサイクルではすべてのパックが同じ期間使うことができます。
また、新しく始める人にとって複数のセットがまとめて落ちるより1つずつのほうがカードを集めやすいこと、また、L3は環境を積極的に変化させていきたいフォーマットなのでこのような形を取っています。
もちろん、一般的なものにはそれとは違ったいいところがたくさんあります。それを否定するわけではありません。何よりL3は始まったばかりのフォーマットです。比較しての論評は賛成にしろ反対にしろもう少し時間をいただけると嬉しいです。
RB: 今週は以上です。景山さん、お時間を割いていただきありがとうございました。そして、Q&Aは続きますので来週もまたみなさんに読んでいただけると嬉しいです!