第182回:カードテキストの「とき」と「場合」について

 みなさまこんにちは! 2019年も早くも下半期となり、令和最初のブースターパック『Opus IX Lords & Chaos』の発売と『MASTERS 2019』後半戦のスタートを控える7月に突入しました。今年も暑い夏になりそうですが、涼しい室内で『FF-TCG』を楽しんでもらえればと思います。

 さて、そんな『Opus IX』はすでに全カードが公開されていますが、考察していくなかでルール的な疑問が浮かぶこともあるかもしれません。今回は『Opus IX』だけにとどまらず『FF-TCG』でぜひ覚えておいてほしいカードテキストの一要素について紹介させていただきます。

「とき」と「場合」

ここに2種類の、挙動が似たアビリティを持つカードがあります。

【8-021R】レイン
レインがフィールドに出るかアタックしたとき、フォワード1体を選ぶ。あなたは《火》を支払ってもよい。そうした場合、それに3000ダメージを与える。

【9-013C】銃使い
銃使いがフィールドに出たとき、あなたは《火》を支払ってもよい。そうしたとき、フォワード1体を選ぶ。それに5000ダメージを与える。

どちらも「フィールドに出たときCPを支払うとフォワードにダメージを与える」点は共通ですが、少し書き方が違いますね。
実はこの2つのアビリティは、実際に解決していく際の手順にも違いがあるのです。

【8-021R】レイン の場合

①「レインがフィールドに出るかアタックしたとき、フォワード1体を選ぶ。」がスタックに乗る。
② ①の「」の解決時に《火》を支払うか決め、支払ったら即座に選んだフォワードにダメージを与える。

【9-013C】銃使い の場合

①「銃使いがフィールドに出たとき、あなたは《火》を支払ってもよい。」がスタックに乗る。
② ①の「」の解決時に《火》を支払ったら「フォワード1体を選ぶ。」がスタックに乗る。
③ ②の「」の解決時に選んだフォワードにダメージを与える。

2つのアビリティの明確な違いとして、スタックに乗る手順の数が違っています。
これらのアビリティを使われた側のプレイヤーからすると

【8-021R】レイン ⇒ CPの支払いより前に対応する必要がある
【9-013C】銃使い ⇒ CPの支払いを確認してから対応できる

というように、少しだけ対応できるタイミングの幅に違いがあります。

なお、「~とき」「~たび」「~時(に)、」と書かれているテキストはすべて「オートアビリティ」です。
オートアビリティは、条件を満たしたときに必ずスタックに積まれるので、感覚として“「とき」には対応して動ける”と覚えておくとわかりやすいかと思います。その逆にそういった文言がない場合は、オートアビリティではないのでスタックには積まれません。

※何かを選ぶオートアビリティで選ぶものがない場合、そのアビリティはスタックに置かれますが即座に除外されるため、それにスタックすることはできません。このようにいくつかの例外もあるので、細かい点について確認したい方は総合ルールをご覧いただくか、コラムの最後に書いている方法でお問い合わせください。

上の例だけ見ると「なんでわざわざこういう違いを持たせているの?」と思われるかもしれませんが、この「とき」と「場合」の使い方によって、カードテキストの開発の自由度が上がるという理由があります。一度理解してしまえばわかりやすい要素かと思いますので、この機会にぜひ意識の片隅に置いていただけると幸いです。
なお、この「とき(when)」と「場合(if)」の法則は、『FF-TCG』で展開しているすべての言語において明確に違いが判別できるように翻訳されています。

そして、「Opus IX」にはこのような「とき」を使用したカードがいくつかあります。

【9-062H】ヴィンセント
ヴィンセントがフィールドに出たとき、あなたのコントロールするバックアップ1体をブレイクゾーンに置いてもよい。そうしたとき、ダル状態のフォワード1体を選ぶ。それに8000ダメージを与える。

まさしく先ほどの【9-013C】銃使いと同様、このオートアビリティは「バックアップ1体をブレイクゾーンに置いてから」対応することができます。
強力なアビリティですが思わぬ形でアドバンテージを失ってしまう可能性もあるので、対戦相手の状況を確認してからフィールドに出してあげるといいでしょう。

終わりに

最後になりますが、もしルールなどでご不明な点がありましたらtwitterで気軽にリプライをお寄せください。(返答に時間がかかる場合がございます。ご了承ください。)

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※製品の不良などについてのお問い合わせは、パック・箱裏面に記載のカスタマーサポートまでメールにてお問い合わせください

また、『MASTERS 2019』などの公式大会にはホビージャパンの開発スタッフがおりますので、対戦中に疑問が発生した場合はもちろん、ルールで聞いておきたいことがある場合もぜひお声がけください。

知っておくとより『FF-TCG』が楽しくなるルールの要素については、今後もコラムで発信していければと思います。
この夏も充実した『FF-TCG』ライフをお過ごしください!

ゲーム開発課 開発チーム