第56回:プロデューサーから 第9回 ~『Gamescom』後編~
こんにちは!『FF-TCG』プロデューサーの景山です。今回も『プロデューサーから』よろしくお願いします!
さて、前回は『ドイツ選手権』のレポートと言いながら結局『Gamescom』の話で終わるという暴挙に出たわけですが、決して書かなかったわけじゃないんですよ。『Gamescom』が楽しすぎて書くことが多くて予定の文字数をオーバーしてしまったのです。というわけで改めまして、今回は『ドイツ選手権』の話をしていきたいと思います。地区予選を抜けてきた16名の精鋭たちの戦いをご覧ください。
大会会場
『ドイツ選手権』は『Gamescom』のラスト2日間である金曜日と土曜日を利用して2日間開催されます。
『Gmaescom』は人が多く熱気にあふれ、トレーディングカードゲームをするのには不向きな環境ですが、中心部からやや離れたミーティングルームを借りてそこで行なうことで良質なトーナメント環境を確保することができました。
ただ、ほぼ完全に隔離された空間なので、観戦しにくいところが課題だったかもしれません。
次の機会には、たとえば配信をほかのブースのモニターに映し出すという方法もおもしろそうです。『FF-TCG』の存在を知らない人にもいいアピールになるんじゃないでしょうか。
初日
さて、トーナメントの話を進めていきましょう。初日はスイスラウンド4回戦で行われ、上位8名が2日目に進むことができます。つまり半分のプレイヤーが初日でふるい落とされるという形になるわけです。16名のプレイヤーが使用するデッキは風属性の使用率がやや高い感じがありましたが、使用しているデッキとしては全体的に散らばっていた印象を受けました。
その中でも中心となっていたのが氷を使うタイプのデッキでした。水などと組み合わせたコントロールよりのものもあれば、その一方で火や雷と絡ませてとにかく序盤からがんがんアタックしダメージを稼いでいくタイプのものもあり、幅広い使われ方をしていました。特に【2-035H】シェルク→【1-007R】ガドー→【1-016C】ティファのように1ターン目から動かれてしまうとなかなか対処しにくいです。
また、【1-044R】セフィロスを使用しているプレイヤーも多く、自分の手札が0になるときなら積極果敢に出していくプレイも多くみられました。おもしろいなと思ったのが、1ターン目にとにかく【1-044R】セフィロスを置いてしまうというもので、かなりのギャンブルではあるのですがスタート時に相手がキープしていた手札のうちの2枚を捨てさせてしまううえにパワー7000のフォワードがフィールドに残るというのは、なかなかに魅力的でした。
プレイングやデッキ構築が各国ごとに結構違うのでこういうレポートを書くと驚く人も多いと思うのですが、それはそれで多角的に『FF-TCG』を見られるのでこういう違いを積極的に研究していくとさらに実力をアップさせるんじゃないかな、と個人的には思っています。
二日目
さて、そんなわけで氷がやや目立っていた初日4回戦が終了し、実際のところトップ8に残ったデッキの分布はどうだったのかというと、
火氷1名
水単1名
火雷1名
Opus1型ゴルベーザ1名
Opus2型ゴルベーザ1名
風単1名
氷雷1名
土風1名
という分布となっています。8名バラバラというのはなかなか珍しい結果ですが、逆に言えばあらゆるデッキが活躍できる環境であると、ここは自画自賛しておきたいところです。……していいですか?
ともあれ、いろいろなデッキがあるということは、それだけ対戦にバリエーションができるというわけで、当然2日目も熱戦が繰り広げられることになります。その中でも特に好調を維持していたのが火氷を使うKaspar Wolf さんでした。思い切りのいいプレイングで序盤からちゅうちょせず相手にアタックを続けるプレイスタイル。そしてそれを支えるデッキ構成。彼のデッキにはわずか11枚のバックアップしか入っていません。とにかくフォワードを出し相手にアタックすることを徹底したプレイングは実に見事でした。彼はそのアグレッシブなプレイングで見事にベスト8に入ることに成功しました。
その勢いは決勝トーナメントに入ってからも続きます。1回戦、準決勝と勝ち進み、決勝に進んだ彼は1ターン目から素晴らしい動きを見せました。まず1ターン目に手札を1枚捨てて【1-043H】スノウをフィールドに出し、さらに手札をすべて捨てて【1-044R】セフィロスも展開します。これで手札は0枚ですが、相手も2枚捨てなければならないという、先述したギャンブルスタートを決めてみせました。
残念ながらセフィロスはダメージでめくれた【1-178R】リヴァイアサンによってEXバーストで手札に戻ってしまいましたが、スノウが対戦相手にダメージを与え続けます。中盤からようやくフォワードを並べ始めスノウの進撃を止めようとする対戦相手の動きにも【1-003C】赤魔道師や【3-032R】シヴァの力で無理やり道を作りだし、ダメージを与え続けます。その後は【3-033L】ジェネシスなどの有力なフォワードを展開し一気に押し切ったのです。
2本目も彼の進撃はとまりません。再び手札をすべて使い【3-005C】虚構の拳士とセフィロスを展開。先攻を選んだ相手の Patrick Rüger さんは手札を1枚捨ててバックアップを1枚出しているので手札は2枚。そこから2枚捨てさせられるのですからたまったものではありません。
この回も押し切ってしまうのか、と思われましたがPatrick Rüger さんは【3-144L】レナや【3-142H】ものまねしゴゴなどの展開力のあるフォワードで対抗します。Wolf さんも【3-147L】戒律王ゾディアークで一掃したもののその後Rüger さんが【3-135H】シルドラでフォワードをすべて戻し見事に1-1に持ち込みました。
しかし、それでもWolf さんのプレイングは止まりません。今度は1ターン目に【2-035H】シェルクから【2-004C】うたかたの幻想を展開しアタックを繰り返します。そしてRüger さんがフォワードを並べたところで必殺の【3-147L】戒律王ゾディアーク! すべてを滅ぼし見事に3本目をもぎ取り優勝したのでした。
こうして世界初の『FF-TCG』ドイツチャンピオンが誕生したのですが、ベスト4に残ったプレイヤーは10月のヨーロッパ選手権へ出場することができます。4人とも相当の実力者なのでドイツ勢がヨーロッパ選手権で旋風を巻き起こすのは間違いないでしょう。
みなさんもヨーロッパ最強を決めるこの一戦をぜひお見逃しなく!