第37回:プロデューサーから 第5回 ~ダメージの増減~

 今回のブログでは今までのようなレポートや、新カードの情報ではなく(ましてや旅行記でもなく)、ルールに関しての話をしていきたいと思います。
 しかも基本的なゲームルールではなく、実際に遊んでいるとわかりにくい置換効果、その中でも特にフォワードに与えられるダメージを置き換える効果に関して話していきたいと思います。
 どうです? この時点でもうわかりにくくないですか?

ダメージを置き換えるとは?

 さて、そもそもダメージを置き換える効果とは何なのか。簡単に言えば、フォワードにダメージが与えられる場合に、本来のダメージの代わりにそのダメージを増やしたり減らしたりするものになります。

 ……まだ、わかりにくいですね。具体的なカードを出して説明してみましょう。
 たとえば【2-018C】魔界幻士。このカードは本来与えられるべきダメージではなく、代わりに1000ダメージ多くなったダメージを与えます。
 あるいは、【2-145L】ウォーリアオブライト。これは【ジョブ(光の戦士)】に与えられるダメージを本来のものに変わって2000減らします。

 こういった、ダメージを減らしたり増やしたりするものがダメージを置き換える効果になります。

『0にする』や『倍にする』、『ダメージを受けない』は?

 ではダメージを代わりに0にする【1-160H】ゴードンや、ダメージを倍にする【1-005R】ウォーリアオブライトはどうなのでしょう。
 実はこれらも置換効果になります。

 『0にする』はダメージを0まで減らすわけですし、『倍にする』は同じダメージだけ増やすということになるので、これらも置換効果なのです。

 ただし! ここで1つ注意が必要です。
 【1-171H】ミンウのような『ダメージを受けない』は置換効果ではありません。
 これはダメージを受けるというルールを受けないというルールに変更しているのです。これはダメージを増やしたり減らしたりする効果ではありませんので注意してください。

複数のダメージ置換効果が発生した場合

 どういうものかわかったところでここからは、この効果の一番難しい部分を説明していきます。
 それは、同じダメージで複数のダメージ置換効果が発生した場合はどうなるのかという部分です。
 たとえば2倍のダメージを与える【1-005R】ウォーリアオブライトがアタックして、2000点のダメージを軽減できる【2-145L】ウォーリアオブライトがブロックしたら、【1-005R】ウォーリアオブライトは何点のダメージを与えられるのでしょう?

 置換効果は同じものに複数の効果が発生した場合、どちらの効果を先に適用するかはこの置換効果によって影響を受けるプレイヤーが決めることができます。
 これはダメージを置き換える効果でも例外ではありません。

 この場合はダメージを受ける側(影響を受ける側)が順序を決定することができますので、ダメージを受ける側、つまりブロックしている【2-145L】ウォーリアオブライトをコントロールしている側が決めることができるのです。

 ブロック側のプレイヤーは先に自分の軽減する効果を適用し、その後に相手の、2倍にするダメージを適用してもいいですし、その逆の順序でも構いません。

 前者の場合、5000-2000=3000。その後3000ダメージを2倍にするので6000ダメージになります。

 後者の場合、先に2倍にするので10000ダメージになり、その後2000点軽減して8000ダメージになります。ダメージを受ける側が選択するので通常は前者を選ぶことになるでしょう。

 さて、それでは先ほど注意してほしいと言った置換効果ではない【1-171H】ミンウがブロック側にいた場合はどうなるのでしょうか。

 まず、上記のように置換効果をすべて解決します。そして与えるべきダメージが確定した後、【1-171H】ミンウのアビリティでダメージが与えられるかをチェックします。
 つまり、上記の例の場合、6000ダメージを与えるように解決した場合、【2-145L】ウォーリアオブライトにはミンウの効果によってダメージが与えられなくなります。

 ところで、ここで1つお願いがあるのですが、もし自分が以前にこれとは違う回答をしていたとしたら、それはルールを整備した今では間違いとなります。今後はこのような処理になりますので覚えておいてください。よろしくお願いします。