第30回:プロデューサーから 第4回 ~第1回イギリス選手権~
5月27日(土)と5月28日(日)の2日間にかけて、ロンドンの「ExCeL London(エクセル展覧会センター)」で『FF-TCG』初のイギリス選手権が行なわれました。僕はヘッドジャッジとしてこの大会に参加してきまして、せっかくなので今回のこのコラムはその大会のことを書いていきたいと思います。
初代イギリスチャンピオンを決める大会のレポートは非常に名誉あること。がんばって書きますのでよろしくお願いします
MCM ロンドン コミコン
このイギリス選手権、実は『MCM London Comic Con(MCMロンドン コミコン)』という、イギリス最大級のポップカルチャーのイベント会場で行われました。
『MCM』は毎年春と秋の2回行われるのですが、去年どちらも行った僕としては、この会場でやると聞いたときにかなり不安になりました。
『MCM』はイベントとしては大変盛況で、ポップカルチャーに興味があるならば1度くらいは参加してみたいイベントなのは間違いありません。ただ、その盛況ぶりゆえにカードゲームの大会を開くのには適していません。爆音を鳴らしているブース、アニソンを歌い続けるカラオケ、そして何より多数の参加者の盛り上がりは集中力を必要とするカードゲームとは相性が悪いものです。
大丈夫かな、と思っていたのですが、そこはさすがイベント慣れしているスクウェア・エニックス・ヨーロッパのスタッフ。その会場の2階にあるミーティングルームを取ってあったのです。正直な感想をいえば、その部屋はトーナメント環境としては素晴らしいものでした。
わずか1階上に上がっただけなのに会場の音はほとんど聞こえませんし、広さもちょうどよくプレイヤーもジャッジも満足できるものでした。
ちなみにトーナメントとは関係ありませんが、テムズ川を見られるバルコニーに出られたのも個人的にはよかったポイントです。毎日いい天気で、バルコニーに出ると本当にのんびりできました。
16人の精鋭たち
さて、会場の話はこれくらいにして、そろそろ選手権の話を進めていきましょう。
このイギリス選手権の参加者は全部で16名。これは事前の地区選手権を勝ち抜いてきたプレイヤーたちで、言うならば現時点でのイギリスのトップ16ということになります。
トーナメントの形式は初日に2本先取のスイスラウンド4回戦を戦い、上位8名が2日目に進出。
2日目はその8人のプレイヤーが2本先取のシングルエリミネーション3回戦を戦ってチャンピオンを決めるという形式で順位を競います。
なお、上位4名は秋に行なわれるヨーロッパ選手権の出場資格を得ることができます。
氷の時代
精鋭たちの戦いは1回戦から熱戦続きでしたが、デッキに関してはその熱と相反する氷属性が目立った活躍を見せていました。
2日目に残った8人のデッキのうち、半数の4人が氷属性を使用しており属性分布では1番人気となっていました。
余談ですが、日本人プレイヤーのみなさんは、『Chapter』時代では2弾までは氷は受難の時代だったことを覚えている人も多いことでしょう。
『Chapter』と『Opus』では環境が大きく違うということがこういうところからも体感できるのではないでしょうか。
決勝戦
初日から数えて6回戦が終了し、勝ち抜いてきた2人のうちの1人、Alex Hancoxも氷属性を使用する1人です。
彼のデッキは「氷雷」という構成で、あるときは序盤から積極的に、あるときはじっくりと相手の動きを見ながら、と、大胆かつ冷静なプレイングで勝ち上がってきました。
その彼の対戦相手であるRobert Phillipsは水雷デッキを使い、初日8位通過ながら、勢いあるプレイングを持ち味に準々決勝、準決勝を勝ち切り決勝までコマを進めてきました。
決勝戦では2人とも素晴らしいプレイングを見せてくれましたが、Alex Hancoxの扱う【2-101H】エクスデスが勝敗を分けました。戦前はそれほど注目されていなかったカードですが、彼はこのカードの利点を最大限に発揮し、エクスデスと、彼とともにフィールドに出てくる【2-112C】たまゆらの雷光、【2-039C】たわむれの死神でゲームをコントロール。Robert Phillipsの抵抗を振り切り、見事に初代イギリス王者に輝いたのです。
ヨーロッパ選手権も彼をはじめとするトップ4のメンバーの活躍が期待されます。
最後に、Mr. Alex Hancox優勝おめでとうございます!
TOP2デッキリスト
■1位:Alex Hancox デッキ名:Ice/Lightning
フォワード 27
バックアップ 17
■2位:Robert Phillips デッキ名:Water/Lightning
フォワード 24
バックアップ 17
2日目に進出したTOP8のデッキリストは『FF-TCG 多言語版公式サイト』でご覧いただけます。