第1回:『Chapter』から変更になったルールに関して
新生した『FF-TCG』の第1弾『Opus I』日本語版が発売されてからひと月ほどたちました。新しいカードと再調整されたバランスが生み出す独特な新鮮さを楽しんでいただけているかと思います。『Chapter』シリーズ(『Opus I』以前に発売されていた『FF-TCG』シリーズ、全15作)を経験していた人は、前と同じようでいつつも、いざデッキを組んで対戦してみると結構違う感じを覚えるのではないでしょうか。
とはいえ、ゲームのルールはほとんど変わっていないのでとくに不自由はないかと思います。……そう、ほとんどの部分では。
確かにほとんどの部分では変わっていません。しかし、実際は2つ、今までとは大きく変わっている部分があるのです。どちらもそれなりに大切な部分ですので改めてこのコラムで説明しておきたいと思います。
1:召喚獣やアビリティで選んだキャラクターが解決時にすべていなくなるか不適正になっていた場合
『Chapter』では召喚獣やアビリティで選んだキャラクターが解決時にどのような状態になっていようと、解決できる部分は解決するというのが決まり事でした。
たとえば【1-170C】フェアリーのようなカードで選んだフォワードが、解決時にいなくなっていても「カードを1枚引く」という部分は解決されていました。つまり解決できる部分である「1枚引く」というところは、特に影響を受けていなかったわけです。
しかし、『Opus』では違います。『Opus』では選ばれているキャラクターがすべていなくなったり、不適正になったりすると、その召喚獣、あるいはアビリティのすべての効果を解決しなくなります。ですから【1-170C】フェアリーの場合なら、選んだフォワードが解決前に不適正になっていればカードを引けなくなってしまったのです。
ただし、複数のキャラクターが選ばれている場合は注意が必要です。この場合はすべての選ばれているキャラクターがいなくなるか不適正にならない限りすべて解決されます。たとえば【1-018L】バハムートで2体のフォワードが選ばれている場合、解決前に1体を手札に戻すなどしても、もう1体には10000ダメージが与えられます。大事な部分なので覚えておいてください。
2:パワーを「○○」にする
あまり枚数は多くありませんが、フォワードのパワーの数値を指定の値にするアビリティがいくつか存在します。たとえば【1-216S】ワッカのスペシャルアビリティである「ステータスリール」は、選んだフォワードのパワーを1000にします。さて、とくに注目すべきことがないようなこの効果ですが、この効果も大きく変わっています。
1つ例を出してみましょう。もしあなたがパワーを+1000する【1-083H】マリアをコントロールしていたとして、この状況で【1-216S】ワッカの「ステータスリール」を受けたら、そのフォワードのパワーはいくつになるでしょう?
1000にしたのだから1000? 確かに理屈ではおかしくなさそうです。
ではその状態で【1-083H】マリアをブレイクされたら? パワー1000から1000減るのでパワーが0になりブレイクゾーンに置かれるのでしょうか?
これは『Chapter』時代なら正解です。しかしながら、少し奇妙に感じられるのではないでしょうか。パワーが1000になっただけで、ダメージを受けたわけでもないのに【1-083H】マリアがいなくなるとブレイクゾーンに置かれてしまうのは直観的とは言えません。
そこで『Opus』からはパワーを固定の値に変動する効果は、カードに書いてあるパワーそのものを変動させるようになります。つまり、「ステータスリール」を受けると、もともとのパワーが1000になるのです。
そこから【1-083H】マリアの修正を受けるので実際はパワーが2000になる、ということになります。
あまりないケースですが、そのために混乱しやすいところでもありますので注意するようにしてください。
それでは皆さんよいお年を!